「良かったら先生も一緒に回ります?」
その大樹の言葉に凍りついたのは私だけじゃなかった。
佑夜も、珍しく大変不満そうな顔をしている。
木村はこの空気に気づかずポカーンとしている。
「うーん…一緒に回りたいのは山々なんだけど。一応見回りとして来てるから、生徒と一緒のとこ見られると、俺が怒られちゃうかな…」
えへへ、と笑いながらやんわり断わる先生の言葉は今度はウソじゃないみたい。
なんだ、見回りなら言ってくれれば良かったのに…
先生を見ると目が合って、胸がちょっとだけ跳ねた。でも気まずそうにそらしたのは先生の方だった。
せんせ…?



