「おかえり…ってずぶ濡れじゃん!」 「先生」 先生が慌てたようにタオルを手に駆け寄る。 結局荷物を取りに行けなかった。 『ごめん、帰る…』 私は逃げたんだ。佑夜の気持ちから。 向き合えなかった。 あんなに私を大切に想ってくれてる人… 先生以外で初めてだから。 どうすればいいのかわからなかった。 途端に居心地が悪くなって、それで逃げ出した。