そして、今に至ると。
ていうか向坂くんのお母さん、ものすっ
ごい美人さんだ!
ハニーブラウンの髪の毛は、後ろでお団
子にしてまとめてあって、メイクはそこ
までしてなさそうなのに、睫毛もバサバ
サ。唇もぷるっぷる。
すごい羨ましいなあ……なんて思いなが
ら、清夏さんを見つめていたら。
「もーっ!ほんと可愛い!」
いきなりそう言って、清夏さんに抱き締
められた。
わ……、清夏さん、すっごくいい匂い。
なんかフローラルな感じだぁ……。
そのフローラルな清夏さんの香りに酔い
しれて、うっとりとしていたら、急にベ
リッと引き剥がされた。
どうやらそれをしたのは向坂くんで、向
坂くんは清夏さんを睨んでる。
「まとわりつきすぎだ」
「あらやだ、嫉妬?」
ギロ、と睨み付ける向坂くんを、「可愛
いわねー」なんて言いながら頭を撫でる
清夏さん。


