*澪side



やっぱりお母さんは好きじゃない。



お父さんも傷付けて、燐ちゃんも傷付け
て、そんで勝手に居なくなって……。



もう今さら、何を言ったって無駄だけど




でも燐ちゃんが、前よりも幸せそうに、
だけどどこか無邪気に笑ってくれたから




燐ちゃんの事は、やっぱり好きだな、と
思ったんだ。












翌日。



「……あのさ、澪」



朝、リビングに行くと、何故か向坂くん
が申し訳なさそうな顔をしていて。



「……今日、俺の家に来ねー?」



と言った。