「澪ちゃん、明日もまたかなえちゃんと
お出かけ?」
家に帰ると燐ちゃんママがそう訊いてき
た。
「あ、いや、明日は……」
「あら。じゃあお家に居るの?」
「えーと……」
なんて言えばいいんだろう……。彼氏と
デートですとは言いづらい、というか、
恥ずかしいし……。
「もしかして、デート?」
「ひぇっ!?」
必死に誤魔化そうとしていた単語が急に
目の前に放り出されて、思わずすっとん
きょうな声が出ちゃった。
でもそれを言ったのは燐ちゃんママじゃ
なくて───……。
「燐ちゃん!?」
燐ちゃんだった。
燐ちゃんはお風呂上がりなのか、タオル
で髪の毛を拭きながらリビングにやって
来た。


