もうこの教室には誰も居なくて、向坂く
んと二人きり。
なんでだか、ちょっとドキドキしてくる
。
「さ、向坂くん、キャンプファイア、見
に行く？」
「行かねー。あんなの行っても騒がしい
だけだろ」
そう吐き捨てるように言いながら、窓の
所に座った向坂くん。
「俺はここから見てるだけでいい」
……そっかあ、行かないんだ。
じゃあ、一人で行くしかないよね、と、
ちょっとしょんぼりしながら廊下に出よ
うとしたら。
「───……おい。どこ行くんだよ」
なんて聞こえてきて、振り向くと、向坂
くんが私を見つめていた。
「ここに居ろ」
そう言いながら、自分の隣を指した向坂
くん。
それがなんだかすごく嬉しくて、向坂く
んの隣に座った。
