*空side
「じゃあ、あとで……」
その言葉を聞いたとき、俺は手に持って
いたグラスをソイツに投げつけてやろう
かと思った。
どう考えても告白だろうに、泣き虫兎と
来たらなにも気付いてないように、頷く
し。
「……俺の泣き虫兎に触りやがって!」
「落ち着こうか、空」
丁度、豊とシフトの割り当てが一緒だっ
た俺は、売店で適当に食い物を買い、屋
上に豊と来ていた。
飲み終えたコーヒーの缶を握りつぶしな
がらそう言った俺を、豊が宥める。
「お前、スチール缶、片手で潰すなよ、
恐いから」
「……。」
チラッと豊を横目で盗み見る。


