嫌わないで、と言う美奈に、誉は頷く。 「嫌ってはいないよ。ただ、大好きな瑞希さんに触ってほしくないだけなんだ」 「嫉妬か」 「愛情だよ」 立ち上がる誉は伝票を持つ。 「『不本意だけど、家族』だからって」 それが誰から言われたことかなど容易に想像できる。 「いいねぇ、『不本意でも家族』。厄介だけど切り離せないね。ごちそーさまです!」 手を合わせる美奈に、「いえいえ」とお姉さんらしく言ってみる。 「いつかは切り離すから」 二人っきりではないから、今だけ、他人と付き合うんだ。