二人してゲームをやりながら歩いていたらしい。下を向けば前が見えず、前方不注意でどうやら誉にぶつかってしまったわけだが。


「誉にぶつかったのは、どっちだ?――前に出ろ」


赤子の手でも容赦なく捻り潰してしまうような彼の完成である。


「ひぅ……、あ、こ、こっち……!」


「ち、ちが……こっちが!」


「白状しないなら、二人に償ってもらうぞ。名前と通っている学校、住所、親から親戚の名前まで全て言え。お前らの人生、ここで終わりにしてやる」


やけに現実的な『社会的抹殺』を遂行しようとする彼に、誉が待ったをかけた。


「待ってください、瑞希(みずき)さん。こんな子供相手に――」


誉の助け船に小学生たちが安堵して。