ヤンヤンデレデレ

 

【彼女の場合】

ピンクのエプロンはフリルつき、コンビニの雑誌コーナーで見つけた『愛され奥様特集』の真似っこをしてみました、今日。

「今日は、何を作りましょうかねー」

鼻歌混じりで冷蔵庫オープン。
今日の晩御飯当番は私。瑞希さんの帰りが遅い日は、こうして彼のために腕をふるう。

頭はずっと瑞希さんのことでいっぱいだ。だから、体も瑞希さんのことで動かしたい。

それが今。私の作ったものを食べて、微笑む彼を見た日には、私も笑顔。ーーああ、私が笑顔でない日なんかないか。

瑞希さんがいる。そばに、隣に、近くに、間近に、触れる位置に、それだけで幸せ。

だから、彼がいない今は不幸せ。
仕事なのは知っている。九時過ぎには帰ると連絡も受けた。

まだかまだかと時計を見るのに、短針は八時にもなっていない。何回か時計を見るうちに、長針も動いていないことに気づいて、あの時計はゴミ袋行きです。

私の中ではもう九時になったと思うのに、時計が狂うから悪いんだ。あ、もう九時かなーーなんだ、まだ八時か。

この目覚まし時計も壊れてます。燃えないゴミです、火曜日です。

燃えないゴミなのに、火曜日に出すんですね。と、前に瑞希さんに言って、大笑いされたことを思い出す。

瑞希さんの120%スマイル見れて、しばらくは同じことを何度も繰り返し言ったなー。

最初はキョトンとしていたけど、私の気持ちを察した彼は何度も笑ってくれる。けど、100%。新鮮味がないから当然だ。今度、バイト先の人たちが言ったことを言ってみよう。