ヤンヤンデレデレ



『口開けて』とは言わずとも、誉の口元に指を添えるだけで事足りた。

要領を得ない思考回路でも、どこかは冷静らしい。

「わ、わたし、おかしくてっ、うまっ産まれちゃいけなくて」

「そう」

「なのに、産まれたからおかしくてっ、壊れてしまって!」

「うん」

「わ、わたし、欠陥品で、駄目な子だからぁ!」

「そんなことないよ」

胸の中で泣く彼女に優しきテノールで相づちを打っていく。

ひとしきり泣き、話をしたらすっきりしたか、号泣が啜り泣きに変換される。

「私、いちゃいけませんか?」

「生きていいよ」

ここで、と誉がようやく眠りについた時であった。

台所で抱いたまま、瑞希は先ほど誉に飲ませた薬を眺める。

思ったんだーー

「これがなければ、君は本当に壊れちゃうのかな」