誉ーー小さな幼児は膝を抱えて無き咽ぶ。
男児のような女児。違うやだと存在を否定する誉だがーー理解、していたんだ。
これは昔の私なんだと。
「瑞希さ、ん……」
顔を上げれば、自身はボートの上だった。
沼地の真ん中。浮いて流されて行くこの異様さ。藻は髪の毛になっている。
嫌な夢だ。早く目覚めたいと、目を閉じる。
なのに瞼裏は更に嫌な物を映すんだ。
『あんたは男の子よ』
鋏を持つ女の姿。
『今日からそうなるの』
嫌だと言った瞬間に耳たぶを切られた。
私が泣く一方で、『あれ』は笑いながら泣いている。
『あんたのせいで』と泣いていた。


