【首を絞められても、愛を語る】
藻が漂う沼地だった。
「あれ?」
どこだろう?と誉が首を傾げたのは見慣れない場所がために。
確か自分は、瑞希と一緒に寝たはずなのに。
「み、瑞希さん……!」
愛する彼がいなく、途方も無い悲しみを感じた。
「どこですかっ」
悲しみから不安。そうして心配。
「瑞希さん、瑞希さん!」
視界にいないからこそ、安心出来ない。この訳もわからぬ地で何かあったのではないかと、誉は沼地を覗き込む。
「え……」
沼地に映る己が顔は幼かった。
驚き両手を見れば、いつもと違う小さな手。
「や、うそーー」
思わず、“髪を触った"。
「あ、やだ」
髪が短い。
「やだ、やだ」
瑞希さんに撫でてもらえる髪がこんなにーー男児のように短いだなんて。
「わた、わたし……女の子なのに」


