「瑞希さんんんっ」
「はいはい、いるよ」
布団の中で暑苦しい身の寄せ合い。瑞希の匂いや体温を感じ取り、誉の怯えも薄れていく。
「瑞希さんいないと、私はダメになります……」
人間として、ダメになる――
「奇遇だね。俺も誉いなきゃ、ダメになるよ」
「瑞希さんも、うるさいの嫌いですか」
「誉の声以外の音ぜんぶ、嫌い」
それがもはや、世間一般的な『人間』の枠組みから外れていようとも。
「誉を感じなきゃ、ダメになる」
現実で息をすることも出来なくなる欠陥品。生きた心地は、誉の傍にいる時にしか芽生えないんだ。


