ヤンヤンデレデレ



「風邪なら移してもらって、完治させられるけど。虫歯は移っても治らないから、な……」


珍しく困り顔の瑞希に、誉は落ち込むしかなかった。


「ご、ごめんなさい。きちんと歯磨きしなかったから」


「誉は悪くないよ。悪いのは虫歯の菌だから。誉を苦しめるだなんて……ちっ」


頭で虫歯菌を駆逐する想像をし、ふと思いつく。


「歯科医の資格、取っておくか。――ああ、とりあえず今すぐに何とかしないと」


名案にしても時間がかかりすぎると却下。やはり断腸思いで歯医者に連れていくしかないかと項垂れていれば。


「私に名案がありますっ」


挙手する誉はさぞやいい案があるのだろう。


転機を見つけたようで瑞希も明るくなる。どんな?と聞けば、誉は得意気に。