「肩やります」
有言実行。誉の指が肩に触れる。鳥肌立つむず痒さを感じた直後――
「っっ……、ほ、誉。鎖骨には力を加えないでほしいな」
有り得ないが、陥没させる勢いで力が入ればそうも言いたくなる。
「じゃあ、こうですか」
「ああ、気持ち良いよ」
マッサージされている気持ち良さではなく、誉に触れられている幸福感による感覚だ。
力が弱いだの強いだのは二の次。自身のために懸命となる誉が可愛く思えた。
「今度は俺が、『日頃のご愛好』かな」
誉の言葉を借りて、選手交替。最初は「悪いですっ」と遠慮した誉でも、瑞希の『したいこと』とあっては折れるしかない。
枕を抱いて、うつ伏せ。図らずも、背後の気配に心拍が早まった。


