九条が階段から歩道を歩くときになって、あずみもまた追おうと―― 「……、え?」 した時であった。 後ろに、人がいた。 気付かなかった。 雨足が強くて、尾行されていたのも分からないほど五月蝿かったから。 「――」 その“醜い女”が何と言ったかも分からない。 聞き返すにも、“遥か彼方”。 人は――押されただけで、簡単に落ちるんだ。