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以降、あずみは無断欠勤を続け、クビとなる。
津久井には「気を付けた方がいい」と言われても、彼女以外の輩に留めておく気はない九条は、半ばあずみの存在を忘れていた。
梅雨も本格的となった季節。牛乳を切らしたと九条が近場のコンビニに買い物へと出向いた深夜。
駐車場が極端に狭い場所なため、徒歩で移動したが、本降りとなる雨の中では「失敗だったか」と感じ取る。
藍色の傘をさすその後ろ姿を――あずみは見ていた。
ここ最近の、あずみの日課であった。最初は百貨店駐車場で遠目から。そこから次第に行動範囲を広げ、今では九条が住むアパートまで知ることとなる。
無論、九条の『彼女』も見た。
とても、醜い女だった。あずみが“思い描いていた通りの女”で、なぜ九条が自分と付き合わないのか疑問に思ってしまうほどに。


