ヤンヤンデレデレ



――


「センパーイ。こんな人気のないとこに呼び出して、なあにするんっすかー」


意気揚々なおふざけを交え、非常階段踊り場に来た津久井を、九条は笑顔で迎えた。


「津久井くん。口は閉じた方がいいよ。頭に拳骨するから」


「は?」


ハテナを浮かべた頭に鉄槌が下る。


上から下のベクトルに逆らわず、拳骨をくらった津久井は膝をついた。


「い゛っ、てええぇ!」


殴られたつむじを押さえ、悶絶。涙目にもなる痛さで、津久井がキレそうになるも。


「『彼女』のこと、喋っただろ?」


見下ろす冷たい視線で、怒りが凍結した。


言葉数なくとも、つい先ほどのことでは否応なしに把握する。