思い通りにはならない。その言葉が、あずみの頭で反芻された。
「わ、わた、し、その彼女に負けないぐらい、九条主任を」
「今度は勝ち負けの話か。君が彼女に勝るわけがない。彼女は彼女であり、俺の愛する人。君は君であり、俺の嫌いな人。この事実は覆らない。
例え君が、彼女と同じ顔になろうとも、彼女の性格を真似しようとも、俺は君を愛さない。
逆に、事故か何かで彼女の容姿が変わろうとも、記憶を失っても、それが『彼女』であるならば、俺は愛し続ける。彼女だけを。一番も二番もない、絶対。俺は、『彼女』しか愛せないし、他は――嫌いだ」


