「ごめん、うん。かけ直す」
通話を終えた九条。スマフォを懐にしまう前に、あずみは九条に詰め寄った。
「私、九条主任が好きなんです!」
形振り構っていられない告白に、九条は嘆息を返す。
「俺は誰とも付き合わないよ、ごめんね。諦めて――」
「彼女がいても、私は構いません!」
ここに来て、九条の眼が開いた。
『なんで知っている?』と顔に出すが、すぐに平常となったのは思い当たる節があったから。
「津久井くんか……」
「彼女がいてもいいんです。二番目でもっ。私が九条主任を好きなのは変わりありません!絶対、主任に後悔させません!私、主任に相応しい女になります!」
「……、話にならないな」
思いを言うだけ言って、こちらの心情など見向きもしない。猪突猛進型か、半ば自棄も混じり、手に負えなかった。


