ヤンヤンデレデレ



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忘れられない思い出となろう。


実家暮らしがため、あずみのしまりない顔を見るなり、何かいいことでもあったのかしら?と聞く母に鼻歌を返しつつ、あずみは自室にて携帯電話とにらめっこをしていた。


かれこれ一時間。寝る時間というのに、もしかしたら電話が、と思えば目が冴える。


紙に書いた電話番号間違えてないよね?などと鳴らない電話に対して不安持っても、あずみの想像では風呂上がりの九条がスマフォを操作する図が浮かぶ。


九条宅を知っているわけではないが、あの容姿と出世頭の名目あっては高級マンションに住んでいるはずだと、ドラマに採用されるような部屋を想像する。


数多の女性に言い寄られても誰とも付き合わないクールな面があっても、笑みを絶やさない爽やかな好青年。その九条との距離が縮まったと、枕に顔を埋めるあずみであった。