ヤンヤンデレデレ



――


諦めきれなかった。


あんなことを言われた後でも、『もしかしたら』と思ってしまうんだ。


最初はフラれても、また。フラれても、また。その繰り返しの中で、自身の熱意に折れた九条が振り向いてくれるんじゃないかと――あずみはまた、夢を見た。


そうだ、出来すぎた人生だなんてない。最初っから上手くいくはずなんかない、紆余曲折を経て手に入れた幸せの方がいいじゃないかと――それこそ“出来すぎた人生”であろうが、あずみはまだ諦めていなかった。


頭にはまだ、“九条と付き合ったあと”が残っているのだから。


「九条さんが振り向いてくれるまで、私、諦めませんっ」


二度目のアプローチは、宣戦布告めいていた。


昼間自身を嘲笑った外野がいない仕事場の駐車場。車に乗る直前に声をかけられた九条の顔は、あからさまに不機嫌となった。