「モテますねー、センパイ」
「楽しそうだね、津久井くんは」
「実際楽しいーんで。お、センパイ。また彼女の手作りっすか!」
「大声で言わない。彼女がいるのを他の奴にバレたくないんだ」
言えば、彼女に危害を加えようとする奴が出てくる、と実際に経験済みな話を出されては津久井も声を落とす。
「センパイ、今のって」
「部下の泉崎さん。今月から四階に来たんだ」
「出世頭は覚えたくもない名前もきちんと覚えるんすね」
「いや、ネームプレートにそう書いてあったから」
「センパイ、俺の下の名前は……」
「津久井くんは、津久井くんだよ」
「いーんです、センパイはそんなんだと知ってんのは、俺ぐらいでしょうから」


