「く、九条主任っ、こ、これを……!」
百貨店の屋上。一人で昼食を食べようとベンチに腰かける九条に、あずみは渾身の勇気を振り絞っていた。
顔を真っ赤にし、手作りのクッキーと携帯電話の連絡先が入った紙を入れた袋を差し出すあずみ。
遠巻きに九条を見る女性社員にひそひそと、決して好意的ではない話をされても、当の人は気にする余裕はない。
いやむしろ、優越感にも浸れた。
勇気を、振り絞って。簡単には言うが、遠巻き連中と自身に決定的差をつける行動は、九条にとっての特別にまた近づけたと嬉しくもなる。
あなたたちと違って、想いを行動にした私は何倍も強いし凄いんだ――
それに間違いはない。不安や恐れで告白せずに、ただ遠くから見ている奴らと比べれば、確かにあずみは強く――


