【恋をすることに罪はなし、愛したことで罰がある】
泉崎あずみは、同じ職場の男性に恋をした。
恋をしなければおかしい、とも言えよう男性。同僚とのランチでよくその人の話が持ち上がるものだから、興味本意でその男性――九条瑞希を目で追った。
最初は納得。
確かに同僚が毎日、話題に出すだけもあると九条の外見に頷き。
次に羨望。
仕事もでき、常に笑顔の九条を見れば、あずみの好意は日に日に増す。
恋をした、と分かったのはあずみが四階の装飾品売り場、九条の部下として配属された時に。
慣れない職場でミスをしようが、客からのクレームあろうが、それら全ての失敗を九条は怒るわけでもなく、逆にフォローをし助けてくれた。
他の部下にもやっていること、と言えばそれでしまいだが、恋しいあずみは思う。――“特別扱いされた”と。


