肩を落とす先生に、誉は身を寄せた。 「ぎゅうーっ」 抱きしめる細い腕。その力強さは、小さいときと比べ物にならない――成長の証だ。 「瑞希ちゃん以外にぎゅうっとしたことある?」 「ありませんっ」 「そう。――ぎゅうー!」 「きゃー」 はしゃぐ誉で、先ほどの落ち込みがなくなる。 “いいじゃないか、これで”。 「誉ちゃん(子供)が幸せなら、万々歳よね、あははっ!」 それが何よりも代えがたいことだと、先生はいつものように笑ってみせた。