『みんなが好き』を裏返せば、『みんな同じ』だ。
誉に対しての愛情も、瑞希に向けての好意も、美菜や他の子供たちと差異はない。惜しみない愛情、しかして、唯一ではない平等。
「そんな先生のこと、嫌だったかしら」
「嫌じゃないです。優しい先生は好きです。けど、瑞希さんはもっと好き。先生よりもいっぱい好きなんです」
涙を拭きながら、たどたどしくも答えられた。
「“親のあり方”としては正しいのだけれど、心中複雑ねー」
子は巣立ち、最愛の人と一緒になる。当たり前だが寂しくなり、瑞希と誉に至ってはそこに悲しいが付属する。
「私が死んでも、泣いてくれないか……」
瑞希と誉の仲に割り込めない、両者どちらかが泣くとしたら恋人のため。その事実には、心が締め付けられる。


