「だって久々のデートなんですから、機嫌良くなります。いつも家の中でしたからね」


「あれもあれで、俺は好きだけど」


「それでも、『お外』で二人っきりになるのは久々なんで、新鮮味あって楽しいんです!」


「新鮮味か。そうだね、たまには外で二人っきりもいいか」


出不精気味であったかと反省しつつ、これからの予定を誉と立てようとした時――誉が前のめりで倒れそうになる。


「お……っと」


寸でのところで彼が支えてくれたため転ぶことはなかったが、誉もいきなりのことで事態を把握できていない。


「あ、ごめんなさいっ」


「すみません、DSやってて!」


その声で、『ぶつかってきたのはこの子か』と、誉は後ろにいる小学生に目をやった。