永遠と続く叩きは、美菜の手を痛める。捻ろうが突き指しようが省みない美菜の手を――瑞希は初めて払った。
鬱陶しいと言いたげに。
「所詮、俺も君も、“みんなの内の一人”だ」
瑞希は声を発する。
「俺がいたころ、あすなろ院には四十人以上の子供たちがいた。今とて数こそは減っているが、それでも孤児はいる」
「なに、を……」
「子供が絶えることない院で、あの人はずっと“先生”をしていた。親として、数えるのも途方に暮れる子供たちの面倒を見てきた」
美菜とて分かる衆知の事実。それを改めて教える瑞希は、どこか遠くを見ているようだった。
「先生の子供なんて数えきれないほどいる。だったら、俺とて“その他大勢の一人”。先生は、“みんなが大好き”という人だ」


