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「せ、せんせええぇ!」
予想の範疇と言えばそうだが、ベッドで横になる先生を見るなりに瑞希の手を離した誉を見てしまえば、お見舞いで買ってきたメロンを病人に投げつけたくなる。
「あらあら、誉ちゃん。涙と鼻水でぐちょぐちょよー」
抱きつく誉をあやしつつ、起き上がろうとする先生だが、病み上がりには違いないらしく、上体を起こすだけだった。
「よ、良かったっ、し、しんぱい、し……うわああん!」
「ごめんなさいねー。心臓に負担をかけすぎちゃったみたい。もう鬼ごっこはできないわね」
残念そうでも笑みを絶やさない先生の目が、瑞希に向く。
「瑞希ちゃんも来てくれたのねー」
「生きているなら、来たくはなかった」


