ヤンヤンデレデレ



百貨店で何かトラブルでもあったかと、寝ている誉に“いってきますのチュー”もそこそこにして、ながら動作で靴を履こうとし。


『先生が、病院に搬送されたっ!』


履けなくなった左足の靴。留守電を聞いてから三秒ほど静止した瑞希は、スマフォを耳から離し、部屋に戻る。


誉が眠るベッドに腰かけ、はあと嘆息。眠る彼女の手を握りながら、瑞希はスマフォを通話状態にした。



「もしもし、お疲れさまです、九条です。今日、午後から出社させていただけないでしょうか?はい、身内が搬送されたと――、はい、申し訳ありません。ありがとうございます」