「ごめん、誉」
汚してしまったと、喉を上下させて、口を離す誉を見る。
そんな彼の言葉も届かないほど泥酔したか、誉の目は虚ろであった。
「すご、ぃ……、瑞希さんの……」
天にも召すような感嘆を身を持って表現し、もっともっとと誉は同じことを繰り返そうとしたが。
「痛いんだ、誉」
はたっと、その言葉で我に返る。
「いた……い?いた……痛いって、どこがですっ。さ、さっき噛んだところですか!」
愛しい人が痛がっているとなれば、泥酔もしていられない。我が身のことのように誉は涙した。
「手錠、外してくれないかな。手首が痛い」
「い、今外しますっ!」


