「誉、外してくれないかな。『調子に乗る』だなんて真似はもうしな――」
い、と言う前に、誉の腰が上がる。前屈みになり、瑞希の手首を撫でた。
「赤くなってます」
「骨を折る気で抜け出そうとしたから」
それだけ誉に触れたかった手。誉の顔が近づけば、指先がつるほど伸びる。
「あむ」
「それまで食べるんだ」
厳密に言えば、くわえる、だろう。アイスキャンディでも舐めるように、瑞希の人差し指と中指を弄ぶ。
前屈みのまま誉はその行為を続ける。
「眺め的にはいい、とか言ったら変態確定になるんだろうねぇ」
「えっ!」
言わなきゃ良かったと思うも時既に遅し。前開きのパジャマを手で押さえながら、最初の姿勢に戻る誉だった。
「み、見ましたよね」
「胸元が丁度、眼前にあった」
「うぅ……」
「今更恥ずかしがられても」
「そう、ですよね。こうなったら……!」
恥じらいが開き直りになる。
「瑞希さんのも見ますっ」
そうして自棄になった。


