ヤンヤンデレデレ



噛まれた。血は出ないが、歯形がついたと分かる噛み方。痛くないとは言わないが、噛んだ後に労りの唾液が塗られれば悦ばしくも思える。


「ごめんなさい、ごめんなさい。でも、何だか、こうしたくなって……」


「食べたくなった?」


「そう、なんですかね。分かんないんです。瑞希さんに痛い思いはさせたくないし、カニバなんたらなんてこともしたくないけど、何だか」


カニバリズム志願でなくとも、噛みたくなる。――だって、反応してくれるんだもの。


「びくん、ってしてくれる」


今まで見たこともない反応の仕方。


「半開きの口もですけど、瑞希さんって可愛いですよね」


「誉にぴったりな言葉なんだけどねぇ」


男としては喜べないが、誉が満足するならいいかと――余裕口を叩く瑞希でも、手錠が先ほどから騒がしいままだった。