抱きしめたい体。けれども今の自身では腕が伸ばせない。
「今日は、逆ですよ?」
跨がる彼女が、瑞希のシャツを捲る。男性らしい体つきでありながら、どこか女性のような色っぽさがある上半身。彫刻家がいれば、彼をモデルにすること間違いなしたる体は、いつも見ているはずなのに。
「酔ってしまいます……」
うっとりと。アルコール以上に依存症となる体に、誉は指を這わす。
男性のどこを触れば『良く』なるのか、そんな知識は皆無。女性は淑やかに、男性は豪快に。元来よりあるそんな常識あっては、今、瑞希の体に跨がる自身はなんて淫らであるんだと、血が沸騰する。
「わ、私……、気持ち悪いですか」
こんなの普通じゃない。逆であるのに混乱するも、這わせた指先は瑞希の胸板に当てられる。


