その夜のことを思い出す。確かに誉は、自身を抱きしめられないと訴えていたが、悦楽に溺れた顔が可愛すぎてそのまま――
「これが『調子に乗った』って言うのかな」
だとすれば悪いことをしたなと謝罪したい気持ちになる。
「もうしない――って言っても、君のあの時の悲しみは消えないだろうから、いいよ。誉の好きにして」
喜んで体を差し出す思いの瑞希に、誉は顔を赤らめた。
「だ、だったら、今日はじっとしてください……!」
「誉が言うなら、何なりと」
心臓さえも止める気持ちで動きを殺す。誉の気が済むまで不動でいようと思ったが――三秒で心臓が大きく鳴った。
「いっつも、瑞希さんが上だから……」
いそいそとパジャマのボタンを外す誉。前開きとなった着衣の奥には、当然のごとく彼女の胸がある。


