(く、口がっ)
半開きになってる!と己の口を押さえて声なき悲鳴をあげる。
(か、可愛いっ!)
一般人からすれば子猫を見て悶えるのと同じか、口を開けて寝息を立てるその無防備な寝顔に誉は赤面した。
(かっこいいのに、かわいいっ。瑞希さん、かっこいいのに、こんな……つぅ、こんなこんなこんなになってっ!)
フルマラソンを全力疾走できる気分に陥る。気分が高揚し過ぎて、鼓動が早まっていた。
(お、起こさないように)
つん、と人差し指で瑞希の頬に触れる。起こしたくはないが、何の反応もないのは寂しい。
「……」
何気なしに、人差し指を半開きの口元まで持って行く。
「……、ん」
「……!」
ぱくりと、くわえられた。


