【全部が全部、愛しい】
朝の五時。
目をこすり、誉は体を起こす。
動いた拍子に、左手の手錠が鳴る。隣で寝る彼と繋がる鎖だ。
いつもなら彼もここで起きるのだが、疲れているのか身動ぎ一つもしない。
(早いしな……)
起こすのは可哀想だと、冴えた目と頭で判断した誉は、手錠を外す。物音一つ立てぬよう、一秒で出きることを一分かけて慎重に行なった。
思い叶って、瑞希を起こさずに済む。
(寝息が)
すーすーと横を向き、息をする瑞希。
無防備な寝顔をまじまじと見、あることに気づく。
「っっ……!」
気づくなり、歓喜しそうになった。


