「『待ってくれ』、ですか?」
「……!」
出かけの言葉を呑み込んだのは、正にそうだったから。
「“皆さん”、そうでしたから。そうして、課長も――“どうすればいいか”、分かりますよね?」
「つぅ……!」
頷きは降伏に等しい。丸まったままの体を九条は最後に蹴りあげた。
「そうでした。あと、今月、俺のフロアーの売り上げがいまいちなので何か買って下さいね。飽きてしまった女にでも金を渡して買わせてくださいよ」
呻く脂肪の塊を鼻で笑いながら、うす汚い場所を後にする。
「折れた指、転んだってことにしとけばいいですよ。課長の体重なら、そんな間抜けな話で通りますから」
最後の最後まで、豚を貶すのを忘れずに。


