「く、クビだ……、お、おまえなんか……!」
豚の言葉に九条の足が退く。効果的な言葉だったかと、鬼の首を取ったかのように捲し立てる口が――
「その際は、課長も道連れですね」
九条が笑顔で見せたICレコーダーによって状況が一転した。
「会社だけでなく、マスコミにもネットにも流します。もちろん、俺の声は入れませんが、あなたのお名前住所、ああ、奥様やお子さんもまた公表しましょう。人の噂は79日でしょうが、安心してください。忘れ去られた頃にまた、あなたの特殊な趣味を公にしますから」
悪意ある無邪気であった。悪いことをしていると思っていない顔は、そうとしか言いようがない。
冷たい汗が毛穴から吹き出る。瞬時にして、これからのことを想像した頭がパンクしそうだ。


