「いい顔をしているね、君。体つきもいいし」
バンと九条の尻を叩く、浮腫んだ手。
「私には分かっている。支店からの栄転も、主任になったのも、全部――“こー言うことなんだろう”?」
粘液にまみれたカエルを思い出す気色悪さは、触られている臀部から感じていた。
「何が……言いたいんですか」
「女ばかりでは飽きるんだよ。そんなもの、風俗行けばいくらでもいるが。男はなかなか、ねえぇ」
こうでもしないと、と課長の指が便器をさす。
「トイレ、したくなってこないかい?やって、みせてごらん」
顔を見ずとも、にやにやと唇がふやけていると分かった。穴に金具が通されていないだらしないベルトは、これから先の展開を見せつけるようだった。
九条が便器に行くなり、後ろから――という魂胆なのだろう。


