ヤンヤンデレデレ



九条は、“出来すぎた人物”であった。


若さ、容姿、頭の切れ。技量、技能、技術。天は二物を与えないの意味を木っ端微塵にする九条だが、何よりも周囲の評価を上げたのは、その“接し方”。


当初、支店からのお上りとして九条に嫌がらせをする者はよくいた。しかしながら、そんな嫌がらせを物ともせず、逆に笑顔で何事もそつなくこなす九条に人々の罪悪感が浮き彫りとなった。



その無垢さに、『馬鹿なことをした』と人は手のひらを返して九条と接した。


認めたとも言うべきか、九条は会社内での信用を勝ち取る。仕事が出来る人間だと。


そんな九条が主任となったことに分不相応と感じるものいれど、九条と話す内に“納得してしまう”のも確か。与えられた仕事を九条はこなしていた。