怒りを露にする立松、律儀に割れた食器を片付けてから、誉の彼氏という男に近づいた。
「……、いらっしゃいませ」
「こんばんは」
挨拶もそこそこに座る男――瑞希を睨み付ける。
「あんたいると、樽川が仕事きちんとしないんですけど」
「だねぇ。ちょくちょくこっちに来ていたから」
「仕事とプライベートきっちり分けるよう、あんたから樽川に言ってもらえませんかねぇっ。俺の言うことなんて、右から左だろうし」
「そうだね。誉は偉い子だから、俺が言えば聞いてくれるだろうけど――」
睨むこちらに対して、あちらは始終笑顔。
――それに、デジャヴを感じた。
「『話がしたい』って言うのは、何も彼女だけじゃないから」
ああ、同じだ。
“こいつもか”、と立松は苛立ちげに頭をかいた。


