「厨房が主じゃ、いちいち客なんぞ気にしていられるか」
それを言えば、同じ厨房の近藤とてそうなのだが。大好き樽川さんの彼氏として、頭にインプットしていたのかもしれない。
「つか、今日。やけに仕事の要領悪かったの、彼氏いたからか?」
「瑞希さんが、わざわざここまで来てくれたから」
「隠す気ゼロかよっ」
ばしっと布巾(ダスター)を床に叩きつける立松だった。
「まあまあまあ、いいじゃんか。愛するカップルにはよくある光景よ」
「それで他人に迷惑かけてりゃ、世話ないだろっ。……くそ、話つけてくる!」
「やめときなってー。立松がイケメンに敵うわけないってー」
「た、立松先輩、何を」
「うるせっ、黙って見とけ!」


