「あの……」
「樽川さんはなーんも悪くないから。明日、店長無視して泣かせよー」
「ああ、マジで腹立つ。――っとに、終わんねえなこれじゃあ。しゃあねぇ、俺もホール出るわ」
「えー、私サイドメニューしか出来ないけど」
「今はどうせメインなんか来ねえだろ。来たらそっこー厨房戻って、またホール行く」
「調理も接客もできるなんて、万能なのね、立松」
「てめえは廃棄する食材片しておけ!」
厨房用の油まみれのエプロンを脱ぎ、接客用の腰エプロンをつける立松。
閉店まで残り二時間、段取りを頭で考えつつ、とりあえず下膳が済んでいない客席に向かうが。
「あ?」
そんな疑問符を出してしまう客がいた。


