「お客様の迷惑だろうが……!」
「えー、今ナイトだしぃ、店長いないしぃ、これぐらい」
「客数ゼロじゃねえんだから、遠慮しろっ」
深夜時間たる今、客席にいる人は指で数えられるほど。
ナイトと言われる時間帯は客がいない分、閉店作業に力を入れる時だ。――というのに。
「おい、樽川!ドリンクバー清掃!」
「は、はいっ」
下膳に来た誉に立松は三度目となる言葉を発する。
「ノロノロすんなっ、帰れねえぞっ」
「あんたがデカイ声出してんじゃん。パワハラー」
「言ってもやらねえ樽川が悪いっ」
「あのねー、樽川さんはこの時間帯に不慣れなんだよ。それなのにナイトのおばちゃんが休むからって、急遽入ってくれたんだから、逆に感謝しなくちゃ」
「でもよ」
「恨むなら店長恨みな」
「ぐ……っ」
確かに、と納得してしまう立松であった。


