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「降ろせ、この怪力ババアがっっ!」
「よおし、木のてっぺんまで上げたあとに降ろそうかしらぁ」
「やめろ、荒唐無稽ババアっ!」
あすなろ院にある木に滑車の要領で吊るされる瑞希。暴言が出る度に10㎝上がるが、反省知らずの瑞希は地上4mの場所にいた。
「おにいちゃーん、たかいたかーい?」
「そうよー」
「わたしもやるっ」
「だ、ダメだ、誉!こんな危険な真似はって、木をよじ登ろうとしないでくれ!」
大木を登れるわけもなく、誉は瑞希を見上げるばかりだった。
「おにいちゃーん、だっこーっ」
「今行くから!こ、の……!」
胴体に巻き付いているロープを解こうにも無理な話。瑞希に抱っこされないと泣きそうになる誉を見た。


