しようがしまいが、出ていく意思は固い瑞希に――先生は笑う。
「は?」
なんで笑うんだと考える間もなく、すたすた近づいてくる先生にぎょっとした。
バッドを振り上げる。顔面を粉砕するつもりで渾身の一撃を放つが――
「笑っちゃうほどのおバカさんねぇ」
“たしっ”と、バッドを右手で受け止めた女を見ては、血の気が引いた。
すんなりと先生の手の平にハマったバッドは抜けず、あげくに取られる始末。
「こーんな危ない物は、こうしちゃおうかしらぁ」
三本の矢よりも無理難題なバッド折り。
事も無げに、両の手だけでへし折ったバッドを持ちながら、先生は瑞希を見下し、笑う。
「現実の厳しさ、教えようかしらああぁっ!」
瑞希の計画がおじゃんとなったのは言うまでもなかった。


