人を撫でる喜びだなんてどこにある――?
そうは思うも、頭を撫でれば、この子の涙は止まるんだ。
水溜まりが出来た眼球が、瑞希を見上げる。
リスみたいだと思えば、いきなり飛び付かれた。
「すきっ」
地面に打ち付けた背中の痛みに構う暇なく、熱烈な告白を受けてしまったため、頭が混乱する。
「すきぃ。おにいちゃん、なでなでしてくれたから、すきっ」
「……、そういうことか」
まったくと起き上がろうとするも、誉が腹部に股がるため、肘を立てて、胸から上が僅かに浮かぶのみ。
「にばんめになでてくれたっ、だいすき」
「一番目は、先生か」
「うん!でもセンセイいないから、いまはおにいちゃんがすきっ。すーきー!」


